【謎解きサスペンス】「女子高生に殺されたい」感想・考察(ネタバレ有)|ー心とは何かー


今回はアマプラで見れるオススメ映画紹介ということで、田中圭さん主演の「女子高生に殺されたい」を紹介します!私は原作未読で鑑賞したのでご了承ください。
作品情報
公開日 | 2022/4/1 |
上映時間 | 110分 |
ジャンル | サスペンス |
監督・脚本 | 城定秀夫 |
原作 | 古屋兎丸「女子高生に殺されたい」 |
音楽 | 世武裕子 |
今年の4月公開の比較的新しい作品ですが、アマプラで観れます。さっすが~!(アマプラ信者)
こちらアマプラのリンクです→女子高生に殺されたい
公式サイト→映画『女子高生に殺されたい』公式サイト (joshikoro.com)
あらすじ
女子高生に殺されたいがために高校教師になった男・東山春人(田中圭)。人気教師として日常生活を送りながらも"理想的な殺され方"の実現のため、9年間も密かに綿密に、"これしかない完璧な計画"を練ってきた。彼の理想の条件は二つ「完全犯罪であること」「全力で殺されること」。明るく平和な学園内で、静かに着実に計画は進んでいく―。
映画『女子高生に殺されたい』公式サイト「STORY」」
あらすじでは紹介されていませんが、その他の主要人物には以下の人がいます!
- 明るく、いわゆる陽キャで演劇部の君島京子(莉子)
- 柔道部で真面目な沢木愛佳(茅島みずき)
- 大人しい性格の佐々木真帆(南沙良)
- 真帆と常に一緒にいる小杉あおい(河合優実)。勘が鋭く、地震や死のオーラを感じることができる。
- 真帆のことを想うお調子者のクラスメイト川原雪生(細田佳央太)
- スクールカウンセラーとしてこの高校に来る臨床心理士の深川五月(大島優子)。春人の元カノ。
- 伏線がたくさんあるので何度も観たくなる
- 変わったキャラクターがたくさん出てくる(心理学に興味がある人などにおすすめ!)
- 恋愛あり
- 謎解き要素あり
- 注:ベッドシーンあり、動物や人が殺される(それほどグロくはない)
⚠️以下ネタバレあります!⚠️

感想・考察

全体の感想
物語は普通に面白かったです。ですが"普通に“でとどまってしまうような感覚だったんですよね。
でも、こういうサラッと物語が進んでいくタイプの映画って地味に作り込まれてたりするんですよ。時間軸も一定に進み続けているわけではなく、初めから明らかにされていない部分も多いので、これはもう1回見ねば!!という気になりました。
で、見直したのですが、やっぱり1回ではつかみ切れていなかったことが多かったですね。記憶には残りにくい映画だなーとは感じましたが、繰り返し観たくなるような魅力がある作品だと思いました。
真帆とあおいの関係性が良すぎて…。初めはあおいが真帆に頼って、助けてもらってばかりなのかと思っていたけれど、多重人格の真帆を理解しているのはあおいで、東山から救ったのもあおいですからね。お互い支えあっている関係性を全て見て知っている状態でまた観たくなる!
演出について
あと、演出としては作品の部分部分で"連想させる物“が映されるのが面白いと感じました。私が気づいていないものもあるかもしれませんが、少し紹介しますね。
例えばあおいが死を予想していた魚が死んでしまい、真帆と2人で埋めるシーン。埋めた場所のそばに彼岸花があるんです。彼岸花って死のイメージに強く関わっているじゃないですか。こういうこだわりがちょくちょく挟まれているんです。
他にはラスト直前、入院している東山を外から映すカット。糸でぶら下がっている蜘蛛が入っています。この蜘蛛がぶら下がっている様子、東山が舞台の上から落ちてきたときに重なります。
あとは、これは作中で明言されているのですが、東山が死ぬことを妄想するときはいつも絞殺、水のイメージ、赤ちゃんのイメージがついてきています。これが東山自身が生まれるときにへその緒に絡まっていたことからくるものでしょうね。
映画に映し出されるものは何かしら意味を持っていると私は思っています。皆さんも意味なさそうで意味ありげな何かを探してみては?
考察
これは考察になります。観た方ならわかると思うのですが、赤い風船と青い風船が飛んでいき途中で引っかかって青い風船が割れて、赤い風船が飛んでいくシーンがあるんです。あそこにも意味を持たせたい私は想像します。青が東山、赤が真帆で真帆が東山を殺して、真帆は大人へと成長していくことの暗示なのではないかなと思います。その通りにはならなかったですが。
最後のあたりで、愛佳と京子のその後みたいな映像も挟まれるのですが、それぞれ個性があって面白かったです。
愛佳は柔道部の一度負けた男子に勝ち、京子は彼氏ができているっぽい。やはりこの2人が東山の殺されたい願望の裏にある、愛する人にこの欲望を止めてほしいという願いをかなえることができないことをここで表していると思います。対して、過去の記憶を取り戻させようとし、そばに居続ける五月はその願いを叶えてあげられる可能性がある存在として描かれているのではないでしょうか。
南沙良さんについて
役者さん大好きなので、ここも語らせていただきますね♪
南沙良さん。なんとなく、今まで見てきた南沙良さんの演じるキャラクターが似ているから、それほど振り幅ない人なのかなーと思っていました。この作品の前半もわりといつもと同じふわふわ~っとした雰囲気のかわいい女の子って感じだと思ったのですが、多重人格の所から覚醒してましたね。こんなに声でるんや!!!っていう。舐めてました🙏
あと声がいいんですよね~。この間観た「この子は邪悪」でも映画館で心地いい声を聞けて好きになりました←

この作品のテーマ「死」と「心」
この作品、全体的にこの2つのテーマに則って話が進んでいるように見えます。
「死」についてはタイトルの「殺されたい」はもちろんなのですが、遺跡研究部で行った場所が自殺の名所だったり、この世とあの世をつなぐ場所だと紹介されたり、あおいが死を予測できたり、やたらと死が絡んでくるのです。
恋愛や学校生活などが含まれながらも作品全体に「死のイメージ」を持たせ続けることによって統一感が出ているのではないでしょうか。
次に「心」ですが、最後まで五月は「心とは何か」という自身の問いに答えを出していませんでしたね。このセリフは、観客に投げかける問いとして用意してるものだと思います。心は物体ではないからわからない。答えがない問いを向けられた観客はこの作品について考えずにはいられませんね。
他にも、作品内で心理学関連の用語がいくつか出てきましたよね。たぶんこれ心理学好きは面白くてたまらないですよ。私なんですけど。
ツッコミどころ
1個ちょっと笑ってしまったのが、真帆の中でカオリとキャサリンが共存している場面、五月が解説員みたいになってて笑ってしまった。隣であおいが迫真の訴えしてていいシーンなのに!解離性同一性障害って、そんなにたくさんの人が症状を理解しているわけではないのである程度の説明も必要なのかもしれませんが、もうちょいどうにかならなかったんか?!(笑)
まとめ
今回は映画「女子高生に殺されたい」についてネタバレ・感想・考察から最後は少し批判までしていきました!
サスペンス中心ながらも、恋愛あり、謎解きありの面白い作品なのでぜひ観てみてくださいね。
既に観た方は感想や考察など、コメントによろしくお願いします♪

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