【ある意味怖い?】『神は見返りを求める』感想・考察│ムロツヨシと岸井ゆきのだからこそできる人間の変貌


今回は2022年6月公開の『神は見返りを求める』という映画についての感想や考察を話していきます。
過去作ですが、アマプラでオススメに出てきたので見てしまいましたよ。
ムロツヨシさんと岸井ゆきのさんがメインってだけで絶対に面白いのは間違いないと思っていましたが、想像以上に観ていて痛い作品でした…。
この記事を読んでいただくと
- 『神は見返りを求める』がどんな作品か
- 特にどんな人にオススメか
- 映画素人大学生の感想や考えたこと
が分かるようになっているのでぜひ最後まで読んでいただけると嬉しいです!
観たことがある方は、コメントに感想など書いていってくださいね。
作品情報
公開日 | 2022/6/24 |
上映時間 | 105分 |
監督・脚本 | 吉田恵輔 |
制作 | 柴原祐一、花田聖 |
その他 | Filmarks「6月第4週公開映画の初日満足度ランキング」 初日満足度ランキング1位 |
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あらすじ・特にオススメな人

主人公・イベント会社に勤める田母神(ムロツヨシ)は、合コンでYouTuber・ゆりちゃん(岸井ゆきの)に出会う。
田母神は、再生回数に悩む彼女を不憫に思い、まるで「神」の様に見返りを求めず、ゆりちゃんのYouTubeチャンネルを手伝うようになる。登録者数がなかなか上がらないながらも、前向きに頑張り、お互い良きパートナーになっていく。
そんなある日、ゆりちゃんは、田母神の同僚・梅川(若葉竜也)の紹介で、人気YouTuberチョレイ・カビゴン(吉村界人・淡梨)と知り合い、彼らとの“体当たり系”コラボ動画により、突然バズってしまう。
イケメンデザイナ一・村上アレン(栁俊太郎)とも知り合い、瞬く間に人気YouTuberの仲間入りをしたゆりちゃん。一方、田母神は一生懸命手伝ってくれるが、動画の作りがダサい。良い人だけど、センスがない…。
恋が始まる予感が一転、物語は“豹変”する――!
映画『神は見返りを求める』オフィシャルサイト 2022年6/24公開 (kami-mikaeri.com) INTRODUCTION & STORY
- 人間ドラマが好きな人
- 優しい人、イェスマン
- 周りにすごく優しい人がいる人
個人的にはドキドキする展開を楽しむことが出来ましたが、結末の後味はそれほど良いものではないので、結末が気持ちよく終わる作品が好きな方にはあまりオススメできないかもしれません。
作中胸糞悪くなる部分もあるので、胸糞という感情がひどく苦手という方も控えた方がいいかもしれません。
あとは、グロとまではいきませんが観ていてちょっと痛ーーとなる部分があるので共感強めの方はご注意を。
感想・魅力(ネタバレなし)

役者の演技が最高
この作品、ムロツヨシと岸井ゆきののための脚本といっても過言ではないと思っています。
この2人をキャスティングした方、大正解ですよ(誰目線)
優しい神みたいなおじさんから、ブチギレおじさんまで違和感なく演じられるムロツヨシと、一人じゃ何もできない普通の女の子から、性悪女まで違和感なく演じられる岸井ゆきの、最高の布陣です。
役の幅が広すぎて逆に違和感あるまであります。
普通どこかに優しさとか悪さとか、印象が残ったりしますよね?
特定の俳優をディスるわけではありませんが、いい人の役のしかしっくりこない人、逆に犯罪者とか悪役ばかりしっくりくる人も多くいるわけじゃないですか。
そんな中でこれだけの幅を出すのは役者好きにとってはもう大好きになるしかないですよね。
ここまで振り切れるのは観ていて気持ちがいいし、本気で登場人物に恐怖したり、嫌いになったり、共感できたりするので好きです。
これこそ役者!!
そんなわけで、私にとっての『神は見返りを求める』はムロツヨシ、岸井ゆきののイメージビデオになっています(笑)。
あるあるを拡大したような人間関係
この作品に出てくる人物で、私にとってまともな人間は誰一人いません。
いやこんなにおかしいやつしかいない場所ないやろ!って思うくらい本当に嫌な人しかいないし、変貌っぷりも相当すごいんですよね。
ちょっと現実とはかけ離れていて違和感を感じるかもと思うかもしれません。
でも、考えてみるとここまであからさまにおかしい人はなかなか現実にいなくても、どこか共感できてしまうキャラクターばかりなのです。
普通に現実にいる人たちの特徴を50倍くらいに濃くして映画のキャラクターにした感じ。
田母神さんみたいに善意だけで人のために協力できる人、ゆりちゃんのように分かりやすくはないけれど恩を仇で返す人、それ以外にも、「ここまでではないけど、こういう人いるね~」と思って観てしまいました。
そんな現実の人間の性格を50倍に濃くした人たち同士の人間関係は、あるあるなんだけど、でも超越しすぎている展開が出来上がっています。
この登場人物たちのヤバさのおかげで物語の展開が激しいものになっていて面白いものになっているんです。
まともじゃない人たちだけで構成される物語がこの作品の魅力だと思うので、田母神さんやゆりちゃんがどんな末路をたどるのか、ぜひ自分の目で確かめてみてくださいね。
安心して観られない
ビジュアルはすごくポップで明るいこの作品。一応ラブストーリーに分類されることも多いため、どんなハートフルな映画なんだろうと思う方もいると思います。
でも、ここまでの記事を読んでいただいていたらわかると思いますが、完全にポスター詐欺ですね。
でも途中まではかなりいい感じなんですけどね~…。
物語が進むにつれてひやひやする、ある意味ホラーみたいなドキドキがあります。
展開から結末まで、何が起こるかわからない作品になっているので安心して観ることができないんですよ。
この緊張感がこの作品の魅力だと思うので、そんな予測不能な物語が気になるという方にはぜひおすすめしたい作品です!
感想・考察(ネタバレあり)

ここからはネタバレありの感想になるので、まだ作品を観ていない方はご注意ください。
人間は神ではない
優しすぎるあまり神と言われる田母神さんですが、やはり彼も人間なのでどこかで壊れてしまうんですよね。
そのため、人間は神ではないということを非常に分かりやすく伝えてくれる作品だなと思います。
田母神さんはこれまで積み上げてきた優しさが、全て悪い事態になって帰ってくるんですよね。あまりにも酷くてさすがに同情しました…。
皆さんの周りにも善意でいろんなことを許してくれる人はいませんか?少なくとも1人はいるんじゃないでしょうか。
私はこの作品を観て、そういう神のように感じる人に対しての感謝の気持ちを忘れずに生きていかないといけないと改めて考えました。
このメッセージは観ている方の多くにすぐに届くものだと思います。
さて、作品タイトルは『神は見返りを求める』ですが、優しい人は本当に見返りを求めているのでしょうか。
いや、善意を振りまいているときは見返りなんか求めていないんですよね。私自身わりとイェスマンなのでよくわかります。
自分に出来る事なら全然やるし、時間が許せばやります。
神(優しい人)側から「見返りは求めない」と言うのは全然大丈夫ですが、善意を受け取っているのに「神は見返りを求めず」という言葉を過信してくる人は本当にイラッとしますね。
だからブチギレる田母神さんの気持ちも痛いほどわかりました。
優しさは正義ではないかもしれない
この作品を観て、完全な優しさは正義ではないのかもしれないと考えてしまいました。
善意を当たり前のように振りまいていると、自分の状況が変化したせいで善意がふりまけなくなったときに恩恵を受けていた人がものすごく不幸になるんですよね。
不幸というか、急な喪失感からその反動でさらに悪い方向へ行ってしまうというか。
田母神さんの仕事がだんだん忙しくなり、ゆりちゃんに協力することができなくなったらゆりちゃんは反動で力のある人たちと利益の生まれる人間関係ばかりを作るようになってしまいました。
また、田母神さんからお金を借りていた元同僚は、お金が借りられなくなったらすぐに自殺してしまいました。
善意だけを周囲に与えていると、与えられなくなったときに自分も周りも悪い状況に進んでいくのかもしれませんね。
なんだかこれ、少しだけ現実でもあることなんじゃないかと思いませんか?
優しさを持つ心はとても素敵なことではあるんですが、間違ったことは注意したり、善意だけの協力ではなく正しいことを周囲に伝えることも大切なんじゃないかなと思いました。
あと、人と適度な距離感を保つことですね。
恐怖なのにバカバカしい
こじれたゆりちゃんと田母神さんの関係って普通に考えたら恐怖じゃないですか?
普通の女の子からしてブチギレたおじさんって結構怖いはずなんですよ。
なのに呼び出して煽ったり、動画を回したりするってユーチューバーのヤバさが度を越してますよね。
普通怖く感じるはずの状況なのに自撮り棒フェンシングしたりしてちょっとバカバカしいところもあるのが面白いです。
全体的に登場人物たちがヤバい人ばかりで、ヤバ人たち同士の人間関係が黒いものになりがちなのに対して、ほかの部分ではかなりポップに見えるように工夫しているんですかね?
YouTubeっていう媒体もそうですし、自撮り棒フェンシングだったり、着ぐるみだったり。
物語と人間関係自体はかなり観ていてゾクゾク、ゾワゾワするものなのに所々馬鹿らしいシーンが入ってくるので複雑な気持ちになります。
だからといってバランスが取れているというわけでもなく、本当にただ感情がかき乱されているだけな感じがなんだか癖になりますね(笑)。
まとめ
今回は、『神は見返りを求める』という映画について、感想や考察を話していきました!
観ていて胸糞悪くなる、いやーな登場人物ばかりでイライラしますが、個人的にイライラする作品は嫌いではないので楽しく鑑賞することができました!
序盤に関してはただほっこりするラブストーリーになりそうな物語だっただけに、後半への変貌は面白いですしね!
もしこの記事を読んで『神は見返りを求める』という映画が気になった!という方は是非見てみてくださいね。
既に見たことがある方は感想や考察などぜひコメントしていってください!
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