【アカデミー賞】『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』感想│カオスとアクションが楽しすぎるヤバ映画


今回は、現在上映中の話題作、『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』という映画についての感想や考察を話していきます。
この記事を読んでいただくと
- 『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』がどんな作品か
- 特にどんな人にオススメか
- 映画素人大学生の感想や考察
が分かるようになっているのでぜひ最後まで読んでいただけると嬉しいです!
既に観た!という方は、コメントに感想など書いていってくださいね。
作品情報
公開日(アメリカ合衆国) | 2022/3/25 |
公開日(日本) | 2023/3/3 |
上映時間 | 140分 |
ジャンル | SF |
監督・脚本 | ダニエル・クワン、ダニエル・シャイナート |
劇場での一般公開よりも前に2022年3月11日に開催されたサウス・バイ・サウスウエスト映画祭のオープニングを飾って公開されたこの作品。
ようやく日本でも公開されましたが、本年のアカデミー賞で10部門11ノミネートしているすごい作品なんです!この数は今年最多なんだとか。
第80回ゴールデングローブ賞でも既に2部門受賞、4部門ノミネートしています。大きな映画の賞を総なめしちゃってるんですね😂
あらすじ・特にオススメな人

経営するコインランドリーの税金問題、父親の介護に反抗期の娘、優しいだけで頼りにならない夫と、盛りだくさんのトラブルを抱えたエヴリン。
そんな中、夫に乗り移った“別の宇宙の夫”から、「全宇宙にカオスをもたらす強大な悪を倒せるのは君だけだ」と世界の命運を託される。
まさかと驚くエヴリンだが、悪の手先に襲われマルチバースにジャンプ!
カンフーの達人の“別の宇宙のエヴリン”の力を得て、闘いに挑むのだが、なんと、巨悪の正体は娘のジョイだった…!
ABOUT THE MOVIE|映画『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』公式サイト (gaga.ne.jp)
- 映画のアクションシーンが好きな人
- 最近生きづらさや、苦しさを感じている人
- カオスでハチャメチャな映画を観たい人
この作品はマルチバースという複雑な設定を扱っているので、もしかしたら難しく感じる方もいるかもしれません…!
そのため、初めはかなり混乱するかもしれませんが、後半はかなり分かりやすくまとまっている作品なので、難しいのが苦手という方でもぜひ観に行ってみてくださいね。
ただ、そこそこな下ネタ、カオスな世界が色濃く描かれているので、もし誰かと観るという方はそこらへんを理解してもらえる人と一緒に行くことをお勧めします(^^;)
感想・魅力(ネタバレなし)

アクションシーン鬼かっこいい
とにかくアクションシーンがかっこいい!!
予告やあらすじなどでも言われているように、エヴリンは「世界を救う」ことになるんですよ。そうなるとアクションシーンもそれなりに作品に含まれているんですが、観ていて本当に楽しいです。
テンポ感も速く、疾走感を感じられるカンフーで敵をバタバタ倒していく姿はマジで気持ちよかった…。
このかっこいいアクションシーンの中にも、けっこう笑える場面や、変な設定がたくさんあるんです。
個人的には戦う方法が特殊能力やパワー系ボコボコに、ではなく、カンフーの独特な動きでしなやかに、殺さずというところもちょっと笑えるポイント😂
そのため、カッコよさもありながら面白みもあるアクションシーンで、観ている間ずっとニヤニヤできる魅力があると思います!
音の演出からカオスの入口へ
まだマルチバースの世界がまだ現れない作品冒頭部分。
本当の「カオス」の世界は出てきていないものの、エヴリンの日常はごちゃごちゃしていて物音もいたるところから聞こえてくるんです。やらなきゃいけないことはたくさんあるし、問題は山積み。
私はこの冒頭の場面からすでにカオスへの入口になっているように感じました。
カオス世界へと誘うために音の効果を使うことによって、ワクワクとは違ったドキドキ感、物語の転換点への期待が高るように思います。
マルチバースという現在の私たちでは完全理解が難しい領域に入り込むエヴリンの混乱を私たちも一緒に感じられる、ある種のリアリティも感じられる冒頭部分になっています!
また、冒頭部分で語られることで後半の小さな伏線になってくるものが複数含まれているように見えました。
もしこれからこの作品を観るよーという方は、混乱して置いて行かれてしまうかもしれませんが、冒頭部分も集中して観ていくと作品中盤以降もより楽しめると思います。
複雑すぎる世界観
マルチバースってそもそもどういうこと?っていうのがなんとなく理解できていないとこの世界観を飲み込むのが難しいかもしれません…
簡単に言えば、「この世界」以外にも「別の世界」があって、いろんな世界線が同時に進んでいるということですよね。
で、この世界のエヴリンが別の世界のエブリンの能力をインストールして敵と戦っていくという。ほかの敵っていうのも、他の世界線の自分の能力をインストールしながら戦ってきます。
そもそも自分たちの経験したことがない、経験のしようもないことなんです。
そのため、完全理解はかなり難しいのですが、絶対に経験するより映画で見る方が理解の実現(?)が早いはずなので、マルチバースというものに興味がある方にとってはかなり楽しめる作品になっていると思います。
でも、このかなり複雑な世界観を持ったの物語をよくここまでまとめきったなと思います。
おそらく探りまくればボロや矛盾なども出てくるのかもしれませんが、カオスさでカバーして筋が通ってるのかな…?くらいには感じるし、見ていて完全に意味不明になることもないので筋書きがうまくいっているなと思いました。
別次元の同時進行もかなり観やすくまとまっていた印象です!
(にしても序盤は話を整理するのにかなり頭を使って脳みそねじれるかと思いました。でも多元宇宙の理解できなさを感じたのは初めのエヴリンと同じことなのでそれを共感させるためには間違った演出ではないのかもしれません。)
マルチバース難しそうだな…と思う方でも、難しいなりにもかなり簡潔にまとめた作品になっていると思うので少しでも興味がある方にはあまり臆せずに観に行ってみてほしいなと思います。
感想(ネタバレあり)

ここからは内容やパンフレットに書かれていることなどにも触れています!
まだ観ていないという方は注意です!!
想像を超えたマルチバース
多元宇宙という意味のマルチバースですが、やはり普段の私の想像力では想像するに及ばなかった世界でしたね。
この作品を観て、ようやくマルチバースというものへの理解が進んだのですが、自分がいかに浅はかな考えだったかということに気付かされました。
個人的には、生物が発生しなかった世界や、指がソーセージの世界、さらに二次元の世界まで描かれていたのは想像を超えていて脱帽です。
当たり前ですが私たちはこの人間の姿で自分の人生を生きているルートしか知りませんからね。
パンフレットの中身に、「例のベーグル」が載っている見開きページがあるんですが、ベーグルの中に全部の世界のエヴリンが載っているんです!
作中ではめちゃくちゃ早く映像が切り替わってしまうシーンだったのですが、その部分を全部載せてくれているみたいです。
映画で見たときに、ほかにどんなエヴリンがいたんだろうと気になっていたのでこれは嬉しい😆
その中に、さっき言ったように二次元(アニメの世界?)のエヴリンもいて、なるほどなあと。宇宙人やそのほかの生き物とかまではなんとなくわかるけど二次元世界も並行している世界なのか…と妙に関心してしまいました。
この作品を観て、考えれば考える程マルチバースって面白いなーと思いましたが、たとえ実際に「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」だったとしても他の宇宙に関わるべきではないなと思いました。
だって今の私のこの人生が他の宇宙から来たヤバ人に壊されたら怖いもん(^^;)
みんな自分の世界で各々生きて(笑)
笑える「カオス」
「カオス」。英語の正しい読みは「ケイオス」なんです。
とにかくケイオスでハチャメチャなこの作品。シンプルに笑えるネタが多すぎます。
ぶっ飛んだ「変なこと」をするほど遠い世界の自分の力をインストールできるっていう設定がそもそもおかしいんですよ。(褒めてる)
この作品、普通に下品な下ネタが入ってくるところが結構好きです。しかもそれを真面目にやるっていう。
アクションシーンの中でプリップリの男性のシンボルが出てきたり、バースジャンプのためにトロフィーをホールインさせようとする敵をエヴリンが阻止したり…。
アクションシーン自体は結構かっこいいのに、こういう下品な下ネタをぶっこんでくるのが個人的にツボ。
下ネタ以外でも、ジョブ・トゥパキが作ったブラックホール?がなぜセサミをどうのこうのしたベーグルなのか普通に未だに意味不明です。
ベーグルに関しての説明は人語で話されている感覚が本当になくなっていましたね。
私は本作を「実写版『パプリカ』~宇宙を超えた親子喧嘩~」とか認識しています(アカン)
なにせ物語も設定も音も映像も、情報量が多すぎてカオスすぎて、妙な満足感があるんですよね。この満足感を面白さと錯覚しているのか、本当に面白いのか自分でもよくわかりません。
でも、いや、面白い映画だよ(洗脳済)
カオス世界の最後にはほろり
散々繰り広げられてきたカオス世界でも、何故か最後には涙しちゃうという声を自分が観に行く前から小耳にはさんでいました。
んなもんそう簡単に泣いてやるかよ!
…と思っていたのに、普通に感動してほろり。

最終的に落ち着くテーマとしては、「愛」みたいなありふれたものなんです。でも、ここまでカオスを見せられてきて、馬鹿馬鹿しいシーンもたくさんあってからのこんなテーマだとなぜか心を掴まれるんですよね。ずるい。
ベーグルの中にも行こうとするジョイ(ジョブ・トゥパキ)を止めようとする最後のアクションシーンは忘れられないですね。
エヴリンの「あなた(ウェイモンド)の戦い方を学ぶわ」という旨のセリフはとても好きです。
カンフーのパワーなどをすでにインストールしている状態ではあるけれども、ほかの宇宙の自分の力で敵を倒す、痛めつけるではなく、ウェイモンドから親切、優しさを学んでそれを武器にするという変化球ですね。
他者から学びを得る、他者の良さを見るというメッセージも含まれているのではないでしょうか。
初めは優しいものの楽観的で頼りにならないウェイモンドの良いところに気付いていなかったエヴリンが、最後の戦いで彼から親切を学んで、いろんな世界の娘を救ったなんて胸アツ。
現代は人の良いところに目をつけるのが難しくて、他人にも、自分に対しても欠点ばかり気になってしまうような人が多いように感じています。
それもあって、この映画ではカオスな世界観もとっても面白いのですが、今を生きる人々の心に刺さるようなテーマも含まれた感動的な作品になっていると思いました。

まとめ
今回は、『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』という映画について、感想を話していきました!
視覚的な激しさや物語の複雑さ、感情もかなり大きく動かされることもあって、観ていてかなり体力を使う作品でした。
でも、本当に映画としては満足感たっぷりな作品なのでぜひ劇場で観ることをおすすめします。
また、パンフレットも工夫がされていてとっても好きです。上映中には飲み込み切れなかったことも整理できるし、仕掛けや制作秘話、シーンの写真なども載っておりとても楽しめる一冊になっているので、ぜひ購入してみてくださいね。
もしこの記事を読んで『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』という映画が気になった!という方は是非見てみてくださいね。既に見たことがある方は感想や考察などぜひコメントしていってください!

こちらでTwitterやっています♪→https://twitter.com/Yuu_blog03
🧡他の映画感想ブログはこちらから🧡
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません