【狂気】映画『ミッドサマー』感想・考察│1度観るだけでしんどいのに伏線をまたたどりたくなる作品


今回は2020年2月公開の『ミッドサマー』(原題: Midsommar)という映画についての感想や考察を話していきます。
こちら、かなりヤバい作品として有名ですよね。
宗教的な怖さのある作品だとは知っていましたが、あらすじなどあまり詳しくは知らなかったんですよね。
それをようやくいつものごとくアマプラで鑑賞したのですが、マジでアマプラで観てよかった…。そしていろんな方々が紹介しているにもかかわらずあらすじを知らなかった理由もわかりました。
これらの理由も含めて紹介・感想や考察を話していきますよ。
この記事を読んでいただくと
- 『ミッドサマー』がどんな作品か
- 特にどんな人にオススメか
- 映画素人大学生の感想や考察
が分かるようになっているのでぜひ最後まで読んでいただけると嬉しいです!
観たことがある方は、コメントに感想など書いていってくださいね。
作品情報
公開日 | 2019年7月3日(アメリカ) 2019年7月10日(スウェーデン) 2020年2月21日(日本) |
上映時間 | 147分(劇場公開版) 170分(ディレクターズ・カット版) |
監督・脚本 | アリ・アスター |
制作 | ラース・クヌーセン パトリック・アンデション |
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あらすじ・特にオススメな人

心理学専攻のアメリカ人大学生ダニーは、双極性障害をもつ妹が両親を巻き込んだ一酸化炭素中毒の自殺をし家族を失う。
そんな事件から精神的に不安定になっていたこともあり、彼氏のクリスチャンとの関係も良くなかった。
クリスチャンは不安定になるダニーを重荷に感じていたが、別れを切り出せないでいる。
心の傷を抱えていたダニーだったが、ある日クリスチャンが彼の大学の友人のマーク、ジョシュとともにスウェーデンからの留学生、ペレの故郷であるホルガ村に訪れる予定であることを知る。
文化人類学を専攻するクリスチャンは、90年に1度しか開催されない夏至祭が行われることに興味をもち、スウェーデン行きを決めていた。話の流れから仕方なくダニーも誘うことになり、一行はスウェーデンへ向かう。
訪れた村は非常に美しい自然と親切な村人が魅力的な場所であった。
しかし、儀式が進んでいく中でこの村が異常な文化を持つ共同体であることに気付き始める。
村の儀式に巻き込まれていくダニー達はどうなってしまうのか…?
- 宗教的な怖さが気になる人
- 精神的にげっそりする作品が好きな人
- 暗くてオバケが出てくるホラーに飽きた人
こちらの作品、かーなーりー癖の強い作品になっています。
人間関係のドロドロや、グロいシーン、性描写もかなりどぎつく描かれているため、得意不得意はすごく分かれる作品になっていると思います。
もしそういったものがすごく苦手という方は観るのを控えるか、注意して観ていただきたいです。
しかし、ホラーと言っても脅かすような場面はほとんどないので、ビビりだけどホラーが好きという方には楽しんでいただけるんじゃないかなと思います。
感想・魅力(ネタバレなし)

絵が美しすぎるホラー
この作品のメインとなる舞台はスウェーデン、ダニーたちがスウェーデンを訪れたときはちょうど白夜の時期だったんです。
常に明るく、草原が広がっている景色はすごくきれいなんです。また、村の住人たちも皆、白い衣装を着ていてかわいいし、すごく親切にダニーたちを歓迎してくれます。
しかし、この美しすぎる画面が逆に不気味さを生んでいるんですよ。
のどかな村で行われる怖い儀式、それに巻き込まれていくダニーたち、観ている側からすると絶句です。
この物語の怖さと絵の美しさのギャップがこの作品の最大の魅力だと思っています。
見たことがある方はわかると思いますが、パッケージもかなり違和感があるものですよね。
ぱっと見明るくてカラフルなのに、女の人(ダニー)泣いてるし、このビジュアルだけでもどんな作品なのか気になりますよね。
幻覚・グロ・性的描写もある全部乗せ
ここがかなり得意不得意分かれる理由の大きな1つになると思います。
私も、これらの要素があって、記事冒頭で言ったように映画館ではなくアマプラで観ることができてよかったと思っています。
この作品を劇場で観ていたら精神的にも体力的にも参っていたと思います…。
では、1つずつ取り上げて話していきましょう。まず、幻覚に関して。
作品のかなり冒頭からクスリやっちゃってます。幻覚がそれほど観ている側の恐怖感にそれほど大きな影響を与えているわけではないのですが、ゾッとします。
本当に少しずつだけど、ほかのクリティカルヒットにプラスして精神を削ってくる感じです。
次に、グロに関して。
しっかり人間がぞんざいに扱われます。人間がぐちゃっとなります。この時点で開いた口がふさがらなかった私です。
まあ、これにはこの共同体にとってはちゃんとした理由があるんですけどね。
そして、このぐちゃっとなった人間は結構はっきり映されるのでしんどいですね。苦手な方はおおぅ…ってなるかもしれません。
最後に、性的描写に関して。
非常に特殊なプレイをします。かなり胸糞悪くなります。異常な文化を持つ宗教だから許してやってくださいよ(誰目線)。
ネタバレをしていないのにも関わらずこんなにヤバ映画の匂いがプンプンする要素全部乗せな作品ありますか??
私にとっては初めて経験する恐怖感や不安感を味わうことができる、面白くはありませんが感情がかなり大きく動かされるさくひんでした!
物語がいい意味で難しい
記事の冒頭で言った通り、この作品は有名ではあるんですが、内容があまり広まっていないんですよね。
その理由が、物語が難しいからだと思っています。
日本の作品ではないということで、文化の違いから理解できなかったものが物語を読み解く鍵になっていたり、言葉で説明せずに人間同士の会話で人間関係や状況を理解しなければならない場面があったりするところが難しさの原因でしょうか。
また、物語の展開自体も因果関係が強く結びつきながら進んでいくため、物語の要約が難しいんです。
この作品の公式サイトがなく引用ができなかったため、この記事のあらすじは管理人が自分で書いたわけですが、
ひじょーーーに苦戦しました…。
単純な物語ではなく、登場人物たちの背景と起こっていく物語の展開を照らし合わせながら鑑賞するべき作品なので、まとめようにも要約が難しいんですね。
この難しさがただのホラーにならない魅力の1つになっていて、いい意味の難しさだと感じました。
また、伏線も多くあり、すべてを鑑賞し終わった後に「あれ実は伏線だったのか!」となり、また見返したくなるんですよね。
でも、2回目の鑑賞をすすんでしたいと思わないこのムズムズ感も、魅力というか、この作品ならではの個性です…(^^;)
感想・考察(ネタバレあり)
ここからはネタバレありの感想や考察になるので、まだ作品を観ていない方はご注意ください!

気付かないうちに浸食される恐怖
いやー、怖かった。怖いというより、ずっとゾワゾワモヤモヤしている感じ。
宗教ってこんな感じで新しい信者を増やしていくんだなぁっていうのがなんとなくわかった気がします。
しかも、巻き込まれていった人の中でも、ダニーのように共同体の一部になってある種の幸福を手に入れる人と、理不尽に殺される人たちに分かれるのも生々しくてリアルですよね。
実際に身近にあるであろうこの映画ほどやばくない宗教も、信仰している人の中で救いという幸福を手に入れる人と、大切なものを失ってばかりで不幸になる人に分かれることが多い印象がありますし。
1度関わったら抜け出せない状況になっていて、それを観ていることしかできないのはこの作品を観ていてかなり苦痛でした。
この浸食されていくという物語の伏線になっていると思うのが、ダニーの幻覚です。
ダニーは自身が自然の一部になっている幻覚を見ているシーンが何度かありますよね。手から草が生えていたり、足が草原の草の模様になっていたり。
個人的に、あれはただの幻覚ではなく、物語の伏線としての役割を持ったシーンだと思います。
自然の一部になる、つまりだんだんとその土地の文化やそこに暮らす共同体に溶け込んでいくというイメージにつながります。
作品冒頭の幻覚からも物語の展開が見える伏線になっていたと思うと面白いですね。
ラストシーンの考察・伏線
最後は、ダニー以外の訪れた人たちは殺されてしまうというかなり理不尽なラストになっていますが、ダニーは笑顔なんです。
いろいろと考察されていますが、このダニーの笑顔にはこの共同体の一部として家族のような存在を得た喜びが出ているのではないかと思います。
家族を失い、恋人との関係も悪かったダニー。序盤で泣いているシーンでは、孤独で、暗い中にいました。
しかし、ホルガには泣いたときに一緒に泣いてくれる「家族」がいます。しかも白夜、明るいんです。この対比も伏線のうちですよね!多分。
この共同体は、共感することを行動の基本としているのでしょう。
飛び降りても死ねなかったおじいさん、セックスをしているときの女性、ほかの女とセックスをするクリスチャンを見て泣くダニー、最後に生きたまま燃やされる人たちなど。
同じ感情になって叫んだり、泣いたりしていましたよね。
共同体が信仰する宗教は異常なものではあるけれど、孤独につらさを感じていたダニーにとっては救いであり、存在すべき場所だと感じたのではないでしょうか。
ラストシーンまでさんざん嫌なもの、怖いものを見せつけられてきたけれど、最後のダニーの笑顔に関しては特になにも考えることなくハッピーエンドとして受け止めたくなりました。
ダニーにとってのハッピーエンドで終わらせてくれてありがとう(?)
伏線を拾い切れていない感
一応私はこの記事を書くためにざっと見返して、合計2回鑑賞しています。
2回見ただけでも、1回目には気がつかなかった伏線に気付くことができたのですが、物語自体が難しいこともあり伏線を拾いきれてない感がすごくあるんですね。
だからといって伏線をもう一度見て回収しようと思うわけにもいかないんです(^^;)
結構観るのに体力使う作品ですからね。
映画的にも、物語のテーマ的にもかなり作り込まれた作品という印象が強いので、時間をおいて見返したときにまた新たな発見がありそうな作品です。
私自身が知識不足な部分もあり、物語や伏線の完全理解に至っていないという自覚があるので、もう少しいろいろな知識をつけたり、いろんな映画に親しんだりしたらまた見方が変わってくるかもしれません。
連続して何度も観るのはしんどいですが、忘れたころに「そういえば」みたいな感じでまた観てみたいと思った作品でした!
難しさがあるからこそ、これからも新しい形のホラー映画として『ミッドサマー』という作品は残っていくのではないでしょうか。
まとめ
今回は、『ミッドサマー』という映画について、感想や考察を話していきました!
視界が明るいという珍しさのあるホラー作品。
かなり不快な描写も多く好き嫌いが分かれる作品ではあると思いますが、物語の作り込まれ方はかなり私好みの作品でした!
また観たいとはしばらく思えませんが…(^^;)
もしこの記事を読んで気になった!という方はぜひ鑑賞してみてくださいね。
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