【若者視点】映画『PLAN75』感想|そう遠くない未来の「もしも」の物語を見て考える、自分の命と社会

2023年3月16日

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Yuu
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こんにちは!映画の中に現実を見てしまった、Yuuです♪

今回は2022年6月公開の『PLAN75』という映画についての感想や考察を話していきます。

実はこの作品、観たいと思っていたのですが、劇場に行かずだったんです…。
そしたら最近アマプラに追加されていて、ようやく観ることができました!

この作品1本見ただけで、いろんなことを考えてしまうような、フィクションなのに妙な現実味を感じる作品でした…。
今回はそんな作品を紹介していきますよ。

この記事を読んでいただくと

  • 『PLAN75』がどんな作品か
  • 特にどんな人にオススメか
  • 映画素人大学生の感想や考察

が分かるようになっているのでぜひ最後まで読んでいただけると嬉しいです!

観たことがある方は、コメントに感想など書いていってくださいね。

作品情報

映画『PLAN 75』公式サイト (happinet-phantom.com)
公開日2022/6/17
上映時間112分
監督・脚本早川千絵
受賞第75回カンヌ国際映画祭「ある視点」部門カメラ・ドール特別表彰
第46回日本アカデミー賞 優秀脚本賞(早川千絵)、優秀主演女優賞(倍賞千恵子)など
その他情報日本・フランス・フィリピン・カタール合作

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あらすじ・特にオススメな人

夫と死別してひとりで慎ましく暮らす、角谷ミチ(倍賞千恵子)は78歳。ある日、高齢を理由にホテルの客室清掃の仕事を突然解雇される。住む場所をも失いそうになった彼女は<プラン75>の申請を検討し始める。

一方、市役所の<プラン75>の申請窓口で働くヒロム、死を選んだお年寄りに“その日”が来る直前までサポートするコールセンタースタッフの瑶子(河合優実)は、このシステムの存在に強い疑問を抱いていく。

また、フィリピンから単身来日した介護職のマリア(ステファニー・アリアン)は幼い娘の手術費用を稼ぐため、より高給の<プラン75>関連施設に転職。利用者の遺品処理など、複雑な思いを抱えて作業に勤しむ日々を送る。

果たして、<プラン75>に翻弄される人々が最後に見出した答えとは―――。

映画『PLAN 75』公式サイト (happinet-phantom.com)

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特にオススメな人
  • 社会問題などに興味がある人
  • もしもの話が好きな人
  • 生きることや死ぬことについて考えたい人

ぶっちゃけ、エンタメ的におもしろいかと言ったら面白くありません。なので、映像的な面白さ、展開の動きなどを楽しみたいという方にはあまりお勧めできない作品かなと思います。

静かな絵が続くシーンも多くあるため、退屈に感じるかもしれませんが、生きることや死ぬこと、社会問題についてなど様々なことを考えさせれる作品になっているので是非観てみてくださいね。

感想・魅力(ネタバレなし)

現代日本での「もしも」の制度

タイトルの「PLAN75」というのは、75歳になったら自分の死を選択できるという制度です。

作中世界では高齢化が著しく、若者の負担が大きくなりすぎ、若者が高齢者を襲う事件が発生するようになった結果からこの制度が可決されました。

あくまでフィクションなのですが、高齢化社会という現実にリンクした問題を抱えた世界観はかなりリアルなものを感じます。

そして今、実際にも少子高齢化がどんどん進んでいく日本で、最悪な状況としてこの映画の序盤の展開と同じようなことが起こるようになってしまう可能性もありますよね。

このような現実味のある「もしも」の話で映画を作ることで、現在や現実を考えさせられる意味があると思います。その役割をこの作品は全うしているように感じます。

そのため、現代の社会問題に興味のある方にはとっても面白く感じられる作品になっていると思います。また、「もしも」の話を真剣に考えるのが好きという方にもおすすめの作品になっています。

この「PLAN75」という制度にも賛成や反対など映画を見た人それぞれが違った感想を持つと思います。

映画を見た人どうしでどう思うか、どう感じたか、もしこの状況になったら自分はどうしたいかなどを話し合うのもきっと楽しいので、友人や家族などと一緒に鑑賞するのもオススメですね。

映画を支える多くの視点

この作品は高齢者を減らすための「PLAN75」という制度を中心に物語が進んでいくのですが、この制度に対してさまざまな立場の人物からの視点が描かれています

当事者の高齢者だけでなく、制度運営側の人物、高齢者の親戚、若者、外国人などの視点があります。

そのため、どの世代の方がこの作品を観てもどこかしらの誰かとは立場が被るし、当事者性のようなものを持って鑑賞することができます。

また、立場が被らない人物に対しても、こんなことを考えて生きているんだなという発見になったり、今彼、彼女はどう考えているんだろうという想像力も働かせることもできます。

そして、この登場人物たちそれぞれの考えや生き方からも現代社会が抱える問題点や現状が見えてくる部分もあります。

多くの視点から「PLAN75」がある社会を見ることができるので、広い世代の方々にオススメできる作品だと思います。

語らずとも伝わる映像

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この映画でとても魅力的に感じたのは、台詞がない部分での伝え方です。

言葉にして感情を出さない部分でも、表情や小さな動き、カメラワークなどで伝えようとしているのがよく伝わってきました。

特にミチ役の倍賞千恵子さんと、コールセンタースタッフとして働く若者、瑶子役の河合優実さんは無言で表現するシーンが多く見られました。

何も話さず、何もしていなくても、常に頭の中では何かを考えている人の表情をうまく表現していたように感じます。

二人とも共通して目の演技が上手く、この目からの雰囲気づくりがこちらにも伝わり、良い意味の緊張感を持たせた作品になっていました。

この2人の演技以外にも、作品全体として「間」を非常に大切にしている作品だなと思いました。

所々の間で観客に考えさせ、伝えるということに力を入れているのかな?詳細は分かりませんが、私はそう感じました!

感想・考察(ネタバレあり)

電話と雰囲気が違う若者

この作品の中で特にお気に入りだったのがコールセンターの遥子とミチが実際に会う場面

ミチは遥子に対して、「電話と印象が違うのね」というようなことを本人に伝えます。

この印象の違いというのは、電話での遥子は働く場所で型にはまった役割をこなすために作った人格であったからだと思います。職場から離れた場所では、遥子という人間としてミチと接していたのではないでしょうか。

マリアがPLAN75の関連施設に転勤を勧められたときに、給料がよいという話が出ていましたね。

憶測なのですが、遥子もマリア同様に給料がそこそこもらえる政府関係の仕事についているからこそ、働くときは自分の意見を抑え、教えられた通りの仕事を全うしていたと思います。

職場で、高齢者に死を選択してもらえるように仕事の内容を話すほかのスタッフの声を聞く遥子が長時間映るシーンがありましたが、そのとき彼女は何を考えていたのでしょうか。

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国のために死を選択するというのは高齢者本人にとっては良いことのように感じるかもしれません。

でも、PLAN75に関わる働き手は、早く死ぬことを促すような罪悪感を感じながら働いている人物もいたかもしれません。遥子や、ヒロムなど、実際に高齢者と関わった人は余計に…。

私自身の年齢や立場が登場人物の中で遥子に最も近いこともあり、彼女の視点にかなり感情移入して作品を鑑賞しました。

言われた仕事をしっかりこなす、普段は均一化されているけど外に出たら個性が見える、周囲の人と少し距離を置いた人との関わり方など、ちょっとのことですが「Z世代感」をうまく作り上げているキャラクターだと思いました。

生きることを許される高齢者

死を選択したミチですが、最終的には施設から抜け出してしまったところでこの作品は終わります。

一言で言い切ることはできませんが、個人的にはこの作品はハッピーエンドで終わりたかったんじゃないかなと思いました。

この結末には、高齢者が生きることを選んでもいいんだよというようなメッセージが暗に示されているのではないでしょうか。

作品全体を通して、高齢者はまるで悪かのように描かれています。高齢化社会はさまざまな問題を持っており、その諸悪の根源が高齢者であるかのように。

現状がこのような超高齢化社会に向かっているからこそ、きっとこの作品を見たミチたちと同世代の方々は、罪悪感を感じたり不快に感じたりした方もいたのではないでしょうか。

おまけに、PLAN75に同意させる、死を選択させようとしてくる若者たちの様子なんて見せられるんだから、さらに辛いですよ。きっとね。

そんな、高齢者の人からしたらある意味ホラーなこの作品で、最後にミチが死ななかったというのは制作側が高齢者への救いを作ろうとしたからなんじゃないかと思います。

生きることを肯定するため、一度は死を選択したミチが再び生きることを選ぶことで、観ている人にも死だけが正解じゃないことを伝えようとしたのではないでしょうか。

最後に映る景色は美しいものでした。その景色が希望となって、生きることについて観ている人に問い直すいいラストだったと思います。

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もし「PLAN75」があったら私は

もし「PLAN75」が現実にあったら私はどうするか考えました。

私は、75歳でかはわからないけれど、寿命ではなくこの制度で死んでもいいのかなと思います。

苦しんで死んでいくのも怖いし、体が言うこと聞かなくなってまで無理に生きたいとは思わないし。でも、実際に死を目前にすると死にたくなくなるものなんですかね。

確かに、この作品の、ミチが死ぬ施設まで向かう道中の景色はすごく最期を思わせて苦しくなりましたよ。太陽が見られるのも、バスに乗るのも最後だし。

これまで私は死に対する恐怖がそれほどありませんでした。この現実世界の未来に絶望したり、人生がいつ終わっても後悔しないように生きているつもりではあったのでね。

でも、このミチが施設に行くまでのシーンを観て少しだけ死への恐怖心が芽生えました。最後がこんなに悲しくなるものだと思っていませんでした。

安楽死で死んでもいいのかなとは思いますが、いざ死ぬとなると生きる道を選んでしまうかも。

あなたはどう考えますか?

言葉を選ばずに言うと、国のために老人を減らすための「PLAN75」という制度が現実にあったら、倫理的、道徳的にも、制度を運営する経済的にも、さまざまな問題があると思います。

一度そこらへんを省いた状態であなたならどうするか、その制度についてどう思うか、ぜひコメントで教えてくださいね。

まとめ

今回は、『PLAN75』という映画について、感想や考察を話していきました!

高齢者が増えたこの世界で生と死について考えさせられるこの作品。

激動の展開や、大きな事件が起こったりなど、面白い展開があるわけではないのですが、観た人の心に残る作品になっているのではないでしょうか。

もしこの記事を読んで『PLAN75』という映画が気になった!という方は是非見てみてくださいね。既に見たことがある方は感想や考察などぜひコメントしていってください!

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Posted by Yuu