【涙止まらん…】映画『すずめの戸締まり』感想・考察|めっちゃ泣いたけど言いたいこともある




今回は現在上映中の映画「すずめの戸締まり」について感想や考察を話していきます!
「君の名は。」「天気の子」などで今日本の長編アニメーション作品の代表的な監督とも言われる新海誠監督の最新作!
私は初日に観に行きましたよ~(^^)
めっちゃ泣きました。こんな泣けるんか~というくらい。面白かったし感動したのですが、思うこともあるわけですよ。というか、実際結構賛否分かれていますしね。
ということで、この記事を読んでいただくと
- 「すずめの戸締まり」がどんな作品か
- 特にどんな人にオススメか
- 映画素人大学生の感想や考察
が分かるようになっていますので、ぜひ最後まで読んでいってください!後半はネタバレも含みますので注意して読んでいただけると嬉しいです。
既に観た!という方は是非コメントに感想を書いていってくださいね。
こちらもあわせて読んでいただけると嬉しいです!
作品情報
公開日 | 2022/11/11 |
上映時間 | 121分 |
ジャンル | アニメーション |
監督・脚本・原作 | 新海誠 |
音楽 | RADWIMPS・陣内一真 |
「君の名は。」(2016)や「天気の子」(2019)などでお馴染み、新海誠監督の3年ぶりの最新作。
あらすじ・特にオススメな人

九州の静かな町で暮らす17歳の少女・鈴芽(すずめ)(原菜乃華)は、
「扉を探してるんだ」という旅の青年・草太(松村北斗)に出会う。
彼の後を追って迷い込んだ山中の廃墟で見つけたのは、
ぽつんとたたずむ古ぼけた扉。
なにかに引き寄せられるように、すずめは扉に手を伸ばすが…。扉の向こう側からは災いが訪れてしまうため、
草太は扉を閉めて鍵をかける“閉じ師”として旅を続けているという。
すると、二人の前に突如、謎の猫・ダイジンが現れる。「すずめ すき」「おまえは じゃま」
ダイジンがしゃべり出した次の瞬間、
草太はなんと、椅子に姿を変えられてしまう―!
それはすずめが幼い頃に使っていた、脚が1本欠けた小さな椅子。
逃げるダイジンを捕まえようと3本脚の椅子の姿で走り出した草太を、
すずめは慌てて追いかける。やがて、日本各地で次々に開き始める扉。
映画『すずめの戸締まり』公式サイト (suzume-tojimari-movie.jp)
不思議な扉と小さな猫に導かれ、九州、四国、関西、そして東京と、
日本列島を巻き込んでいくすずめの”戸締まりの旅”。
旅先での出会いに助けられながら辿りついたその場所で
すずめを待っていたのは、
忘れられてしまったある真実だった。
- 新海誠監督作品が好きな人
- 複雑な物語が好きな人
- スケールの大きい作品が好きな人(SFなど)
- 考察好きな人
⚠️注意⚠️
公式さんからも注意喚起が出されていますが、この作品では地震の描写が多数出てきます。
音や緊張感もかなりリアルなものがあるため、地震の警報音や描写が苦手な方は注意して観る、また、いつでも止められるような環境で見られるような配信や、円盤化した後に鑑賞することをおすすめします。
感想(ネタバレ無)

映像最高
すごくありきたりな感想ですが、映像が神がかっていました…。新海監督作品と言ったらあの幻想的な空間ですよね。
もう序盤からヌルヌル動くし、開始数分のタイトルが出てくる部分まででもお金払って観る価値ありますよ。というか、そこまででも映像とサウンドに感動しすぎてしまって、「ああこんなものを1500円(大学生料金)で観てしまっていいのかぁぁぁ」となっていました。
本当に、日本が誇るアニメーションってこれだなあと思いました。
私は新海誠監督の作品を「君の名は。」を劇場で昔観たのと、「天気の子」を先日テレビで放送していたのを見かけるくらいにしか鑑賞していないんですが、明らかに君の名はよりも進化していましたね。当然と言い切ってしまえばそこまでですが。
この「すずめの戸締まり」では、「君の名は。」よりも怖い部分を多く描いていたように感じました。
「君の名は。」も自然災害的なものをテーマにしていますが、どちらかと言うと彗星の綺麗さや、幻想的な風景の印象の方が強かったんです。でも、今回は地震という、誰にとっても怖いイメージのあるものを目に見える物として描いているわけですから、もうソレが怖いんですよ。
あのイメージはどこから湧いてくるのやら。
「天気の子」も、東京が沈むっていう場面は観ていて「こわぁ」と思っていましたが、普通に超えた。ここまで順調に「新海誠作品」というブランドを育て上げてきたので、かなりスケールが大きい物語でしたが、アニメーションへの落とし込み方が最高です。
音楽、サウンドへのこだわり
新海誠監督作品は、音楽やサウンドも魅力ですよね。「すずめの戸締まり」でもその魅力が存分に発揮されていた気がします。
スケールが大きい音楽が得意なRADWIMPSとは「君の名は。」依頼3度目のタッグですが、これが本当にハマってるんですよ。
RADWIMPSの野田さん作詞作曲で十明さんが歌う、「すずめ」は告知の時点からめっちゃ心掴まれました。
何ヶ月か前に、別の映画を見に行ったときに「すずめ」フルの予告見たんですよ。あらすじとか全くわからなかったんですが、あの「ルルルルル…」ってやつが頭から離れない(笑)
あれきっかけで「すずめの戸締まり」に興味を持ちましたね。
作品にも一部挟まれたり、スタッフロールでも流れるんですがヤバいですよ(語彙力喪失)
「カナタハルカ」も、これでこそ新海誠監督アニメやなぁって感じ。RADWIMPSとは離れられない感じありますよねぇ。
でも、今回は作中でRADWIMPSの曲がミュージックビデオ的に流れることはなく、新海誠監督作品のなかでは新しさがありました。扱うテーマが直接的な災害であるため、あまりポップにしすぎないための配慮かもしれませんね。
サントラもえぐいっすよ。めちゃくちゃ映画の余韻に浸れます。Spotifyで聞けるんでもう映画観たという方はぜひ。
寄せ上げるナイトブラ! まるですっぴんバスト、何も着けていないみたいな着け心地。 【すっぴんナイトブラ/ラディアンヌ】
本物の感動が味わえる
私は後半涙止まらなかった人です。
自分自身割と涙もろい方なんですが、どちらかと言うとお涙頂戴系に弱い方なんですね。悲しい物語だと、別に映画的に好きになれない作品でも泣いてしまうんですよ。音楽でやたら感動を演出したり、演者においおい泣かせたりされるとすぐもらいます。
でも、「すずめの戸締まり」は違った涙でしたね。自分でもなんで泣いてるかわからないんですよ。別に何か悲しいことがあったわけでもないし、涙誘うような音楽を使ったでもないし。
邦画あるあるの、ほら泣けよ~な感じがないんです。新海監督はそこらへんちゃんと考えてやってるんだろうなぁ。
伏線が繋がったり、きれいな映像が流れたり、映画的には普通なことをやっているのですが、魂が揺さぶられるような感覚でした。
好き嫌い分かれる作品かもしれませんが、個人的には圧倒的なアニメーション、スケールの大きい物語など、新海誠の魅力を存分に見せつけられて涙が止まりませんでした…!
感想・考察(ネタバレ有)

ここからは詳しい内容にも触れながら感想や考察を話していきます!

子供から大人まで楽しめる作品
いやー、Twitterなどでは賛否分かれていますが、私は本当にこの映画観れてよかったなと思います。
観ていて思ったのが、対象がとても広く作られているなってことです。
アニメーションや音楽などはもちろん万人が楽しめるようになっているのですが、ここで注目したいのは物語のほうです。
ロードムービーで主人公の成長と人々の出会い、いろんな出来事があって…という筋書きは子供から大人まで理解しやすいし、楽しめるところだと思います。そこにプラスして、いろいろな人にとって引っ掛かりになる部分が作中に含まれているような気がします。
地震というテーマは、地震が多く起こる日本の人たちにはもちろん、海外にこの作品を出しても心を動かすことができると思います。
なかなか日本ほど地震が身近にある国はないですし、東日本大震災は海外の人たちにとっても心に深く刻まれている災害なのではないでしょうか。
他にもSF要素や家族愛、友情、恋愛など随所に惹きつけられるものがあります。どれか数個は理解できなくても、その中で観ている人がそれぞれ拾いやすいものだけ拾って味わうこともできる作品だと思います。
このように要素がたくさんあるところも、賛否分かれる理由の一つではあると思います。
1つの作品でも見る人の立場や状況などによって感想が変わってくるような物語になっていると感じました!
すずめの行動原理
すずめがなぜあんなに危険を冒しながらも行動できたのかわからないって声を一部で聞きました。
確かに。
草太さんがイケメンだからってだけじゃ納得できないですよね。ていうかしたくないし。
ここらでしっかり考えてみますか。
まず、すずめが草太と出会ってから、廃墟にまでついて行ってしまった理由。
もちろん草太がイケメンだったっていうのもあるかもしれませんが、私はすずめの第六感説を考えます。
実際なんやかんや人間にも第六感ってあると思うんですよね。おそらく、すずめ本人もイケメンだから廃墟にまでついていったと思っているかもしれない。
ですが、すれ違ったときのすずめの反応の仕方がイケメンだからじゃ説明しきれないほどのものじゃなかったですか?
草太の表情や、廃墟に行くという意味不明な行動から、なにか感じ取ったのではないでしょうか。なにか大切なことをしているような。
これ、劇中ですずめは何回か言われる立場でしたが、はじめの草太との出会いでは直感的にすずめが感じ取ったのかもしれません。
かなりこじつけ臭いし、第六感ってはっきりしないものだから私のただの妄想でしかないですけどね。
次、どうしてすずめは命を懸けてまで扉を閉める手伝いをしたのか。
私は、母親が亡くなっていることや、一度死を身近に経験しているからではないかと思います。また、自分が叔母の環さんに、自分の人生を犠牲にしてまで助けてもらった、育ててもらった経験があるからというのもあると思います。
自分が誰かにしてもらったことを、誰かに同じようにしたいと考えるのは、人間の自然な考えだと思います。
震災で親を失い、心に深い傷を負いながらも、多くの人に支えられてここまで育ってきました。
そんなすずめだからこそ、草太に特に心惹かれ、命を懸けてでも助けたいと思ったのではないでしょうか。
「助け合いのリレー」というのは、この作品のテーマの一つだと考えます。
はじめの行動原理だけでなく、四国、東京などと移動していく中でさまざまな人の出会い世話をしてもらいます。そこで毎度店の手伝いをしたり、子守をしたりなど、双方が手を借りあっている様子が多く描かれていました。
挿入歌に「ルージュの伝言」が使われていたり、パンフレットにも書かれていたりもするのですが、監督はジブリ映画の「魔女の宅急便」はかなり意識しているみたいです。
あの作品も、場所を変えて多くの人と出会い、主人公が成長していく物語ですね。
多くの人に馴染みのある筋書きですが、新海誠色に塗り替えているのも面白いですね。
「封じる」こと、「解放する」こと
さて、この作品ではメインのストーリーとして日本各地で開くと災いが起こるとされる扉をすずめと草太(椅子の姿)が閉じる旅をするというものがあります。
その災いというのが地震なんですが、この扉を閉めれば地震は起こらないという設定です。
ミミズを封じることで地震をくいとめているのですが、こことリンクしているのがすずめと環の関係性だと思います。
後半で、サダイジンが環の体を乗っ取り、すずめにひどいことを言ってしまう場面があります。その前にすずめのほうがはっきりと思いをぶつけているんですけどね。
環が言ってしまった言葉はすずめを傷つけるものではありましたが、今まで心の奥深くで思っていたことであり、すずめも理解していた事でした。
サダイジンの力を借りた出来事ではあったものの、ここから2人の関係は今までより深く繋がっているように見えます。
そのため、この場面では、言葉に関しては開放することによって埋められるものもあるということ分かるようなメッセージ性が込められていると思います。
ダイジンとは結局?

はじめは悪役と思いきや最後には味方だったみたいな難しいキャラクターでしたね。私は、個人的には終始煽りっぽくてあまり好きではないんですが。かわいいけどね!
これはちょっと批判というか、不満に思った点ではあるんですが、あの描き方だとダイジンが味方側とは捉えにくいんですよ。共感も得にくいし。
ということで、ここでは私なりにダイジン視点での思いや本当にしたかったことを話していこうと思います。ここを読んでダイジンのことをもっと好きになってもらえたらなーと思います。
最後には完全に愛せるキャラクターとして新海監督が作ってくれれば良かったんだけども!!
ダイジンがすずめを好きな理由
急に話し始めて、「すずめ 好き」「おまえは 邪魔」とかかわいいお姿をしながら超怖いことを言ったダイジン様。予告でも強烈なインパクトを残してました。
ではなぜすずめの事がそんなに好きだったのでしょう。
普通に考えればすずめにいろんなことをしてもらったからですよね。
長い間要石で動けなかった状態から解放してもらって、ごはんをもらって、かわいがられたら好きになった。さらに「うちの子になる?」なんて言われたらその気になっちゃいますよね。
で、その言葉を真に受けたダイジンは、すずめが心を惹かれている草太は邪魔ということになるんでしょうね。
自分が要石でなくなったため代わりが必要ですね。そこで選ばれたのが、すずめと長い時間を共にしていた椅子なわけです。
ダイジンなりの考えがあって行動していると思うとあんまり憎めませんね。というか、諸悪の根源すずめじゃん(おい)
この作品でははっきりとした悪役がいないんです。ダイジンはダイジンなりに本人にとっては正当性を持って行動しているし、ミミズは自然災害だし。
なので物語全体を冷静に見直したときにすずめが原因で起こっている事件って結構多いんですよね。まあそこらへんは黙っておきます。
もしかしたら意図的にすずめを完全な良い人物として描かず、未熟な部分がある人物として描きたかったのかもしれません。
何をしたかったのか
ダイジンは、物語終盤になるまでは悪役感を貫き通します。普通にこっちもダイジンが扉を開けて回っているのかと思いました。
ミミズが全部出てしまったときの、「もうすぐたくさん人が死ぬ」っていうセリフとかめっちゃ怖かったし。
本当は大好きなすずめのために開いた扉の方へ案内していたんですけどね。
いや、いい奴だったんかーい。
結局ダイジンはすずめの子になりたい一心で行動をしていたんですね。
すずめが一度自分を可愛がってくれたからすずめも自分のことを好きだと思っていたのでしょう。
要石が草太(椅子の姿)になれば、椅子も草太もいなくなって自分がすずめの一番になれると思ったんじゃないでしょうか。
うーん、すずめと草太の言動ばかり折っていた観客からするとここまで察しきりにくい!
ただ分かりやすくしてしまうと映画としての面白さは減ってしまうような気がするので、物語としてはいい役割だったと思うんですが、もうちょっとダイジンの中身まで踏み込んでほしかった感はありますね。
ダイジンの諦め
ダイジンは最終的にすずめの子になることを諦め、草太をもとの姿に戻し、自分は要石に戻っていきます。
いやぁ、ここまでダイジンの気持ちを想像しながら思い返してきましたが、切ないですね。その割にはダイジンが要石に戻ることを決意したことに関して触れなさすぎでは?
一種の自己犠牲のはずなのに…。
ここら辺で最後まで持ち越してきたすずめの過去と、2人のラブストーリーとが重なってダイジンにほぼスポットが当たっていなかったように思います。
もしかしたらやっていたのかもしれませんが、大事な要素が多すぎて印象に残っていません。
このあたりの、「あ、ダイジンは本当は悪役じゃなかったんだな」っていうことを観客に伝えるのが少々雑に思いました。
結構カギとなるキャラクターなのにあまり深堀りされず、かわいらしい見た目からこの作品のアイコン的に立ち位置ではあるものの理解されずらいというのがなんとももったいない…!
予告でも使われている怖い言葉は、あえてミスリードを誘って引きつけるためのものだったとは思うんですが、それならしっかり正しい方向へ導かないとね。
もし私と同様に、ダイジンが好きになれなかったという方がこの記事を読んでダイジンを愛らしく思ってくださる方がいれば幸いです。
まとめ

今回は、「すずめの戸締まり」について、ネタバレありとなしでそれぞれ感想や考察を話していきました!
こちらでは同作について批判多めで感想を語っているので、ぜひ合わせて読んでみてくださいね。
個人的にはそれほどアニメ映画は興味がなく、観にいく予定のなかった作品だったのですが、マジで観てよかったと思っています。公開日当日に観れたことに感謝🙏
にしても記事をまとめるのにすごく時間がかかってしまいました…。語りたいことが多すぎて!!
これでも足りていないので、随時追加していこうかなと思います。
この記事を読んで、興味を持った方はぜひ劇場に観に行ってみてくださいね♪
感想や考察のコメントもお待ちしてます♥

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コメント一覧
…本当に文系大学生の文章ですかこれ?
…うーん無駄に長すぎ意味不明
文系とは謳っていますが、まだまだ文章を書くことは勉強中です。わざわざ貴重なお時間を使ってコメントしていただいて、ありがとうございます!