【正しい選択とは?】朝井リョウ『武道館』紹介ー女性アイドルの卒業、加入、水着、握手商法、恋愛と向き合うー


今回は朝井リョウさんの『武道館』という小説を紹介します。
この記事を読んでいただくと、
- 『武道館』がどんな作品か
- どんな魅力があるか
- どんな人に特にオススメか
などがネタバレなしで分かるようになっていますので、ぜひ最後まで読んでいただけると嬉しいです!
既に読んだことがあるという方はコメントに感想など書いて行ってくださいね!

作品情報
作品名 | 武道館 |
著者 | 朝井リョウ |
出版 | 文藝春秋 |
出版年 | 2015年 |
ページ数 | P.303 |
この作品は、2016年にハロプロのアイドルグループ、Juice=Juice主演で実写テレビドラマがフジテレビで放送されていました!

結局ドラマ自体は観ていないのですが、予告の時点で面白そうですよね!
実際に演じられているJuice=Juiceのメンバーと小説の登場人物のイメージがピッタリなので、このドラマを観ていた方やJuice=Juiceのオリメンが大好きという方はぜひ小説も手に取ってみてほしいです。
文章も難しくなく、展開もわりとサクサク進んでいくので読みやすいので楽しみながら読める小説になっていると思います。
あらすじ・特にオススメな人

右手で母の手を、左手で父の手を握っていた。
「こうでもしてないと、愛子はすぐ踊ったりしちゃうから。」
幼少期から踊ったり歌ったりすることが大好きだった愛子は、女性アイドルグループ「NEXT YOU」のメンバー。
NEXT YOUは、結成当時から武道館でのライブを目標にアイドル活動をしている。
ある日急に中心メンバーだった1人が卒業を伝え、残りの5人のメンバーは大きな動揺をするところから物語が始まる。残された5人は様々な方法でファンを増やし、武道館という大きな目標に近づいていく。
しかし、知名度を上げていく彼女たちへの視線は好意的なものだけではない。
愛子、真由、碧、波奈、るりかの5人のメンバーはアイドルとしてそれぞれどんな道を歩んで生きていくのか。
アイドルの卒業、加入、水着グラビア、握手商法、恋愛禁止など、現代の女性アイドルの様々な問題に向き合った長編小説。
- ドラマを観ていた人
- Juice=Juiceが好きな人
- アイドルが好きな人
- 読みやすい小説が好きな人
魅力

とにかく引き込まれるアイドルの世界
人並みの感想になってしまうんですが、この作品凄く面白かったです。
私がこの作品を楽しんで読めた理由は2つあると思っているんです。
1つ目は、展開がかなり早いということ。
純文学的な、ひとつの場面をながーい日本語で描写するということがほとんどないということもありますし、単純に話の進展も早いです。
そして、出来事に分かりやすい区切りがないため次の展開が気になってどんどんページをめくってしまうんです。
これが著者朝井リョウさんのすごいところで、一度読み始めた読者を作品の最後まで離さないんですね。そこそこの長編作品なのに、私も2日で読み切ってしまいました(笑)
2つ目は、アイドルのリアルを描く世界観。
この作品はアイドル界隈の教科書と言ってもいいほど現代の女性アイドル文化が分かりやすく書かれているんです。
アイドルオタクをやっている人なら絶対に「あるある~」と思いながら読んでしまうと思います。
かく言う私もアイドルオタクなので、共感性も高く、普段は見えないアイドルの側面を覗いているような気がして楽しく読むことができました。
あくまでフィクションなのでアイドルの側面がすべて現実と一致しているとは限りませんが…。
比較的文章も読みやすいため、普段小説をそれほど読まないという方もこの世界観を楽しんで読んでいただけると思います。
単なるアイドル小説にとどまらないメッセージ性
さきほども書いたように、アイドルの世界を十分に見せてくれる作品でとても面白いのですが、それだけではないんです。
この作品中で常にあるテーマは「自分が何を選択するか」ということです。
炎上に巻き込まれたり、家庭の事情や恋愛に悩むこともアイドルだってあります。
アイドルである以前に人間である登場人物たちがすごく鮮明に書かれているんですね。
他人にどう思われているか基本はわからないのが人間ですが、アイドルという立場であるといいものから嫌なものまでどうしても声が聞こえてきてしまうんです。
一般人とアイドルの差のようなものを感じながら、普通の人間の心を持つ登場人物たちに共感しながら読める作品になっています。
アイドルだから特別!というスタンスで書かれている作品ではないので、メッセージ性が一般人の私たちまでダイレクトに伝わってくるのが魅力だと思います。
また、この作品からはかなり著者の思いが強く反映されているように見えるのも特徴的だと思います。
浅井リョウさん自身、ハロー!プロジェクトやK-POPアイドルのファンなのだそうで、だからこそこのような視点で描く作品が生まれたと考えられます。
現代の女性アイドルにまつわる様々な問題について、物語内での言葉は浅井リョウさん自身がいつも考えていることが多く含まれている可能性がありますね。
特にラストは読者側からするとかなり意外な結末になっていると思います。
彼女たち5人は武道館に立てるのか、どんな結末が待っているのか、ぜひ自分の目で確かめてみてくださいね。
まとめ

今回は朝井リョウさんの『武道館』という小説を紹介しました。
アイドルの世界観を覗きながら、普通の人間としての「アイドル」を見ることができる非常に面白い作品でした。
アイドルオタクでもある私からしたら、これがリアルだったら嫌だな~とも思ってしまう作品ですが…。
同世代の女子として、共感しながら読める部分も多かったので是非皆さんにも読んでいただきたい作品です。
もしこの記事を読んで少しでも興味を持っていただけたら、ぜひ小説『武道館』を手にとってみてくださいね♪


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