【超現代小説】宇佐見りん『推し、燃ゆ』紹介ー推しの存在だけじゃない、生きづらさを感じる主人公から見える世界ー


今回は宇佐見りんさんの『推し、燃ゆ』という小説を紹介します。この独特なタイトルと芥川賞受賞で話題になった人気作品ですね!
この記事を読んでいただくと、
- 『推し、燃ゆ』がどんな作品か
- どんな魅力があるか
- どんな人に特にオススメか
などがネタバレなしで分かるようになっていますので、ぜひ最後まで読んでいただけると嬉しいです!
既に読んだことがある方はぜひコメントに感想や考察など書いていってくださいね♪

『推し、燃ゆ』の感想・考察をまとめた記事はこちら↓
作品情報・特にオススメな人
作品名 | 推し、燃ゆ |
著者 | 宇佐見りん |
ジャンル | 長編小説 |
出版 | 河出書房新社 |
ページ数 | P.125 |
受賞 | 第164回芥川龍之介賞 2021年本屋大賞 9位 |
『推し、燃ゆ』は、宇佐見りんさんの二作目の長編小説です。
なんと宇佐見りんさんは、芥川賞受賞時まだ21歳!この年齢は綿矢りささん、金原ひとみさんに次いで3番目の若さだそうです。
まさにZ世代。この世代の視点だからこそ書ける作風が評価され、人気を集めているのでしょう。
- 「推し」がいる人
- 純文学が好きな人
- かなり現代的な小説が読みたい人
- 考察好きな人

あらすじ

推しが燃えた。ファンを殴ったらしい。
主人公のあかりは男女混合アイドルグループ"まざま座"のメンバー、上野真幸を推す女子高生。その真幸が炎上した。
推しはあかりの背骨。バイトも学校も家族関係もうまくいかないけど、推しの存在があかりを生かしていた。
推しの炎上であかりの人生はどう変化してしまうのか?真幸のアイドル人生はどうなってしまうのか?
生きづらさを抱える女子高生のあかりの視点で描かれる、「推し」がいる人生。
魅力

超現代的!共感ポイントの多さ
1つ目の魅力は何と言っても超現代的な世界観!
SNSの描写、友達同士のメッセージのやりとり、会話などがすごくリアルなんです。
「炎上」というテーマを扱うのも現代的だと思います。作者の若々しさが作風にゴリゴリに表れている感じがしますね!
この作品には、朝井リョウさんも「未来の考古学者に見つけてほしい」(週刊文春『私の読書日記』)と評価しています。
まさに今のネット文化、若者の習慣、人間関係などがフレッシュに描写された作品だと思います。
「推し」の存在と言うのもかなり共感できるポイントです。
今やほとんどの人に推しがいるんじゃないですかね。もちろん私にもいます。
でも、推し方は人それぞれ。
あかりの推し方に共感できるところもあれば、なるほど、そういう考え方もあるのか、と感じるようなところもありました。
共感できたり、発見があったり、かなり入り込みやすい作品なのでそこを楽しんでいただきたいです!
主人公の生きづらさ
あかりは実は病名を2つほど与えられています。
その影響で学校も、家族との関係もうまくいっていません。
周りには理解されない生きづらさがこの作品には描かれているのです。
あかりの視点でこの作品は進んでいるのですが、あかりの内面描写がすごいんです。読んでいて痛みを感じるんですよね。
どう頑張っても周りに合わせられない、思い通りにいかないのが悔しい以前になぜできないのかわからない。
きっと、普段生きづらさを感じている方は共感できるし、共感できなくても少しあかりに寄り添ったり理解したくなるのではないでしょうか。逆に理解できないという感想を持つ方がいても面白いですけどね。
読者を巻き込めるような力が、この作品の文章表現にはあると思います。
思った以上に純文学
タイトルや、推しが炎上するというあらすじから大衆小説っぽいエンターテインメント性が高い作品なのかなって思うじゃないですか。
いや、思った以上に純文学的です。
先ほども書いたんですが、まず内面描写がかなり繊細なんですね。本当だったら一瞬の時間を細かく表現しているのです。
純文学が好きな人はこの一瞬を表す豊かな言語表現が好きなんだと思いますが、きっとこの作品も楽しめます。
この作品の特にえぐい描写が、あかりの痛みや苦しみの感情の表現。読んでいて少し気持ち悪くなりますね。合わない方もいるかもしれませんが…。
結末もすっきり解決!とはならないのが基本ですよね。これもそんな感じです。
言葉と物語のつながり、結末の意味などをたっぷり考察できるのも魅力だと思っています!
純文学っぽいところもたくさん見られるんですが、難易度的には全然高くないです。普段あまりこういった小説を読まないという方でも、一回読むだけで理解できるくらいの読みやすさになっています。
作品の内容からしても、小学校高学年から中高生くらいの方々にとくにお勧めしたい作品です!純文学作品に触れる導入の役割も果たしてくれそうな作品という印象でした。
まとめ
今回は宇佐見りんさんの『推し、燃ゆ』という小説を紹介しました。
読んでいる中でかなり思うことがあって、この紹介記事だけじゃ語り足りない…!またもっと深く考察したいと思うような作品でした。
考察や、もっと感想を詳しく語った記事もいつか投稿出来たらいいなー。
【追記】詳しい感想や考察をまとめた記事を投稿しました!こちらもあわせてぜひ。
もしこの記事を読んで少しでも興味を持っていただけたら、ぜひ小説『推し、燃ゆ』を手にとってみてくださいね♪


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