【文学と大人の恋の世界】山田詠美『A2Z』紹介ー夫と年下彼氏と作品に惚れた新人作家の3人の男性と関わる大人の女性ー


今回は山田詠美さんの『A2Z』という小説を紹介します。
この記事を読んでいただくと、
- 『A2Z』がどんな作品か
- どんな魅力があるか
- どんな人に特にオススメか
などがネタバレなしで分かるようになっていますので、ぜひ最後まで読んでいただけると嬉しいです!
既に読んだことがあるという方はコメントに感想など書いて行ってくださいね。

作品情報・特にオススメな人
作品名 | A2Z(エイ・トゥ・ズィ) |
著者 | 山田詠美 |
出版 | 講談社 |
出版年 | 2000年 |
ページ数 | P.256(文庫) |
受賞 | 第52回読売文学賞 |
『A2Z』は最近プライムビデオで深田恭子さん主演で実写ドラマ化されましたね!
個人的には作風があまり合わず、1話で視聴をやめてしまいましたが…
小説の方が小説のなりの魅力があってかなりオススメできる作品だと思っているので、もしドラマを見てこの記事を読んでくださっているという方は是非最後まで読んで小説も手に取ってみてほしいです!
- 文学的な恋愛小説が読みたい人
- いろいろな形の恋愛を読みたい人
- 言葉遊びのような文学作品が読みたい人
あらすじ

たった二十六文字で関係のすべてを描ける言語がある。それを思うと気が楽になる。
三十五歳、出版社勤務、既婚者の夏美は、10歳年下の郵便局員である成生と恋に落ちた。
ある日、別の出版社で働く同業者であり夏美の旦那の一浩に、恋人がいることを打ち明けられる。
旦那でライバルで浮気をしている一浩、年下で貧乏な夏美の恋人の成生、さらに夏美が作品に惚れ込み、目をつけていた新人作家の永山も巻き込んだ「大人の恋」の関係をAからZの二十六文字で表していく。
はたして夏美や周囲の人物の関係はどう変化していくのか?
それぞれの恋の形とはどんなものなのか?
魅力

最大の特徴、AからZの言葉
この作品の一番の特徴が、やはりAからZの言葉を使って夏美の人間関係や出来事を表していくところです。
1つの章に1つずつ英単語が含まれていて、物語の進行にあわせてAからZに向かっていきます。
章が数字でカウントされているものと違って、物語の最後がZだと分かっているので、あと〇文字で話がどのように展開していくんだろう…?とワクワクしながら作品を読むことができます。
なぜこのような仕掛けをしようと思ったんでしょうね。作品に直接大きな影響を及ぼすようなものではないと思うのですが、新しい小説の仕掛けで面白いですね。
でも実際にやってみようと思うとけっこう難しいんじゃないですか?
英単語も、おそらく高校英語レベル以上のものを使っていそうな印象でした。日本語に訳しても、なんだかかっこいいと感じてしまいました😂
日本語と英語が融合したような感じがして面白い試みだと思いました!
大人の恋ってこんな感じなのかー!
この作品のキーワードとなってくるのが「大人の恋」だと思います。
本の紹介やあらすじ、現在アマプラで見れる実写版のドラマの告知でも使われていました。
そのため、私も「大人の恋」ってどんな感じなんだろうと思いながらこの作品を読み始めました。
実際にこの作品を読んでみて、主人公夏美は、私にとって想像できないところを想像させてくれる人物だったと感じました!
夏美と私とは、既婚者と未婚者、35歳と19歳、出版社勤務と大学生と、全然立場の違う人同士でした。
だからこそ、私が知らない世界や、それこそ「大人の恋」みたいなものを見ることができて、とても面白かったです。
夏美の生き方や考え方は私にとってかっこいい大人で、少し憧れました(〃▽〃)
私自身がとても楽しんで読むことができたので、もちろんどんな層にもオススメですが、特に学生に読んで欲しいと思うような作品でした!
恋をしている人を近くから覗くような感覚になるので、恋愛にあまり縁がないという方もきっと楽しめると思います。
登場人物の会話が面白い
私がこの作品を読んで楽しめた一番の理由は、登場人物同士の会話の面白さがあったからです。
夏美と夏美の旦那の一浩は、出版社勤務で文学と関わりが深いということもあり、言うことがなんかかっこいいんですよ。頭のキレる人の話し方をしています。
しかも2人の関係がライバルであり夫婦だから、言葉での軽いやり取りも見られて、コントを見ているような感じがします。
そこの夫婦のやりとりだけでなく、成生と夏美との関係の中で描かれる夏美のモノローグ(独白)にも面白さがありますね。
若くて何も知らない成生に対してどんな気持ちでいるのか、話すことと話さないことの選択をしている様子などの、心の動きを素敵な日本語で書いてあります。
内面描写が細かく書いてある小説が好きという方は、特にこの辺りを楽しんで読むことができると思います。
特に、この作品では、恋愛小説なだけあって「恋」の感情に関する内面描写がほとんどなので、恋がどんなものかを言葉で表しているものが読みたい!という方にはとってもオススメできる作品です◎
この主人公夏美が人間的にあまり出会ったことがないタイプの人間で、それが作品中の他の人物にとってもそういう人物であるということがわかるようになっています。
やはり、主人公が面白い人物だと余計作品も面白く感じるな~と思いました。
まとめ

今回は山田詠美さんの『A2Z』という小説を紹介しました。
既婚者でありながら旦那に浮気され、自分も年下の成生と恋人になり、さらに新人作家の永山ともちょっと不思議な関係に?
男女間のさまざまな関係を豊かな言語表現を使って表したこの作品。
AからZの単語を各章ごとに含みながら展開していく、夏美の「大人の恋」の結末はどうなってしまうのか。
気になったという方は自分の目で確かめてみて下さいね。
もしこの記事を読んで少しでも興味を持っていただけたら、ぜひ小説『A2Z』を手にとってみてくださいね♪


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